映画に影響され自衛隊の戦闘糧食Ⅰ型を食べてみた

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映画に影響され自衛隊の戦闘糧食Ⅰ型を食べてみた

2018年4月27日 

海上自衛隊のイージス艦が副艦長(寺尾聡)と某国の工作員(中井貴一)によって自衛隊の指揮下から離脱し東京を破壊すると日本政府を脅迫する。他方でイージス艦の先任伍長の仙石(真田広之)がイージス艦の幹部らの動きを不審に思い、先任伍長の部下の如月(勝地涼)と伴に海上で閉ざされた狭い艦内で自衛隊指揮下から離脱した幹部や某国の工作員から艦を取り戻そうと奮闘する『ダイ・ハード』的なところもある映画『亡国のイージス』(福井晴敏原作、日本ヘラルド映画、松竹配給、2005年)。

この映画は、当初、防衛庁(現在の防衛省)に撮影の協力を断られたが、石破茂氏が防衛長官の時に再考を促し海上自衛隊の全面協力が得られたと言われている映画です。

私は、個人的のこの映画が大好きですが原作を読んでいないためか、原作を読んだ方が書いた評価はあまり高くないのがちょっと残念な気がします。多分、Wikiのあらすじ読んだだけで感じることですが、原作者の思いとか、登場人物の性格や人間関係のようなものを複雑にすると2時間の映画では無理で連続ドラマ級になってしまいます。

筆者は、ちょくちょくエキストラで映画やドラマに出てるのですが、結構、撮影は時間がかかるので(例えば2~3分のワンカットのシーンに準備を含めると2時間とかザラです)、そこで実物のイージス艦で連ドラは不可能です。だからと言ってセットとCGでは間違いなく迫力が落ちてつまらないものになりますね。

本題に戻りますが、この映画の中で、仙石と如月と副艦長が同じタイミングで缶詰の戦闘糧食を食べているシーンがあります。仙石は「温めないと食えたもんじゃねーな」、そして如月に「五目も食え」と言ってます。また副艦長は黙々と食べています。このシーンを観て「食えたもんじゃねーな」と言っていたので、そんなに自衛隊の食糧は不味いのか、一度、食べてみたいなと思っていました。

亡国のイージスより 亡国のイージスより
映画『亡国のイージス』より

先日、あるオークションで自衛隊糧食(ミリメシともいうようです)の五目飯と鶏肉野菜煮が出品されていたので落札して食べてみました。

戦闘糧食Ⅰ型 五目飯缶詰 戦闘糧食Ⅰ型の鶏肉野菜煮の缶詰

■缶詰の外観

缶詰の大きさですが、写真ではなかなか判りにくいので大きさを測ってみました。

五目飯の缶詰の高さは約6センチ、直径が約10センチです。

戦闘糧食の五目飯の缶詰の高さ 戦闘糧食五目飯の缶詰の直径

鶏肉野菜煮の缶詰の高さが約3.4センチ、直径が7.5センチで、コンビニで売ってる焼き鳥の缶詰くらいの大きさです。

戦闘糧食の鶏肉野菜煮の缶詰の高さ 戦闘糧食の鶏肉野菜煮の缶詰の直径

また、缶詰には原料の他、「防衛省」とあります。原料は着色料など使用されておらず、どちらもシンプルですね。納入や製造メーカーは、判別できる形では記載されていません。

戦闘糧食の五目飯の缶詰の原料 戦闘糧食の鶏肉野菜煮の缶詰の原料

■食べ方

前述の「食えたもんじゃねーな」と言っているのは、その前のセリフにもある通り温めていないからです。

ご飯は、冷めて硬くなった状態だとβ化しており硬いだけでなく不味く消化も悪く栄養にならないため温めてα化する必要があります(詳しくはWikipediaを読んでください)。

そこで、同じようにこの缶詰のご飯も温めなければ美味しくなりません。じゃー「チン」しようか!!と一般家庭ではなりますが、物は”戦闘”糧食で戦時等のときに食べることが前提とされており、当然、電子レンジはありません。

ではどうするか?答えは簡単で、缶詰に書いてあります。「沸騰湯中で約25分間以上加熱」と。

戦闘糧食の五目飯の缶詰の食べ方

では、早速、お湯を沸かします。そして、沸騰してきたので中に入れます。

戦闘糧食の温め中

タイマーを25分にセットします。その後、残り10分くらいになったところで鶏肉野菜煮の方も入れました。缶詰には温めるとは書いてはないですが、あったかい方が美味しいので。

25分が経過したので鍋から出します。

そして、缶切りで缶蓋を切ります。手袋をしていますが相当に熱いです。

出来上がりがこちら。左が五目飯、右が鶏肉野菜煮。

戦闘糧食の五目飯の缶詰の中身 戦闘糧食の鶏肉野菜煮の缶詰の中身

では、早々と、いただきます。

五目飯は、薄味ですね。でも、私は薄味派なのでちょうどいいですね。その辺りのお店でもありそうな味の五目飯ですね。

では鶏肉野菜煮の方も。うん、こちらは味は結構、濃いめですね。素材の味を楽しむことは無理ですね。鶏肉も野菜も味が染みていて美味しいですね。でも、これは温めましたが本来は温めないのでしょうから、冷めていると鶏肉はパサパサ感がでちゃってちょっと鶏肉は不味いかもしれません。

なお濃い味は、Wiki情報だと「栄養比率は比較的塩分が高く少ないおかずでご飯を大量に食せるよう」にしてあるとのこと。

では、また五目飯を。うん、鶏肉野菜煮が味が濃いためか五目飯の味がかなり薄味に感じます。その他、はじめは箸で食べていましたがご飯がチャーハンのようにパラパラなのでスプーンの方が食べやすいですね。

そして完食。

総合的な感想。映画を観て想像していたよりは、はるかに美味しかったですが、五目飯の方はちょっと缶の味がご飯に移って金属の味がするところもありました。あと量もこれ1缶と野菜煮と、その他にたくあんの缶詰があるようですがこれだけだと私のお腹は満足しませんね。でも、これ以上に量が増えても運ぶのが大変かもしれません。なにしろ戦時ですから。

なお、今回のものとたくあんの缶詰で860kcl~1000kcalくらいでしょうかね。同じ組み合わせのものがなかったのですが、陸上自衛隊東北方面隊HPに掲載されていたものからの概算です。

ちなみに成人男性の一日の摂取カロリーの目安は2,400kcl~3,000kcl(農林水産省HPより)なので、2,400kclで3食とすると1食あたり800kclなので、目安のカロリーとしては達しています。

ごちそうさまでした。

■最後に

これもWiki情報ですが、災害派遣の時に温めるのが大変で浴槽を代用することがあるそうです。今回、鍋で温めてみて同じことを感じました。ちなみに現在は、レトルトパックの物が主流だそうです。